
長年愛用してきた電気ケトルのスイッチを入れても、「ランプがつかない」「お湯が沸かない」というトラブルが発生しました。
「買い替える前に、まずは原因を調べてみよう!」ということで、分解して内部構造をチェックし、無事に修理することができました。
今回は、電気ケトルの故障原因を探る手順や、内部で使われている仕組み(バイメタル)、修理のコツを初心者向けに分かりやすく解説します!
※注意(免責事項)
電気製品の分解・修理は火災や感電の危険を伴います。
本記事は構造の解説・個人の記録を目的としたものであり、分解や修理を推奨するものではありません。
作業を行う際は必ず自己責任のもとで行ってください。
症状:スイッチを押しても反応がない
- 症状: スイッチをONにしてもランプが点灯せず、お湯も沸かない。
- 目的: どこで電気の流れが途切れている(断線・接触不良)のか、原因を特定する。
【台座の調査】給電ベースに電気は来ているか?
まずは、コンセントから電気ケトルの台座(給電ベース)までしっかり電気が届いているかを調べます。

台座の分解は断念
台座の裏側を確認すると特殊形状のネジが使われており、通常のドライバーでは外せない仕様になっていたため、内部の分解調査は断念しました。

テスターで「導通確認」
台座の表面(本体との接続部)を見ると、金属の接点部分が2か所見えます。

テスターを使って「電源プラグ(コンセント)」と「台座の金属部分」がつながっているか(=導通確認)を測定しました。

内側の接点とコンセント片側が導通

外側の接点とコンセントの反対側が導通
- コンセントプラグの片側 ➔ 台座の内側の接点
- コンセントプラグの反対側 ➔ 台座の外側の接点
しっかりと電気が通っていることが確認できたため、「台座までは正常に電気が来ている」と判断しました。
【本体底面の分解】ツメを外して内部へ
続いて、本体側の調査に移ります。
底面の構造: ネジ止めではなく、ツメで引っかけて固定する「はめ込み式」になっていました。

分解手順: 精密ドライバーをスキマに差し込み、少しずつ持ち上げて外していきます。

- ※かなり力が必要で「壊れてしまうかも…」とヒヤヒヤしましたが、慎重にツメを外していくことで無事に底面カバーが外れました。

原因を発見!バイメタルと接点のズレ
底面を外して横から覗き込むと、内部に小さな銅板の部品(電気を通す接点)が見えました。

写真ではわかりづらいですが、2枚の銅板の位置が少しズレていて、お互いが触れ合っていません。
本来ならここは接触して電気を流さなければいけない部分です。
「バイメタル」の仕組みとは?
この銅板の裏側には、丸い鉄板のようなパーツが付いていました。これは「バイメタル」という部品です。

バイメタルとは?
熱による膨張率(伸びやすさ)が異なる2種類の金属を貼り合わせた部品です。
熱が加わると片方の金属だけが大きく伸びるため、「一定の温度になると曲がる」という特徴を持っています。

電気ケトルでの役割
お湯が沸いて高温になるとバイメタルが曲がり、接触している銅板(接点)を押し下げて引き離します。
これにより電気を遮断し、自動で加熱をOFFにする安全装置として働いています。
修理作業(接点の修正と研磨)
今回は「バイメタルが冷えている状態(常温)」なのにもかかわらず、銅板がズレて離れてしまっていました。
位置の修正: ピンセットを使い、銅板を少し曲げて正常に接触する位置へ調整しました。
接点磨き: 今後より確実に電気が流れるよう、接触部分を紙ヤスリで軽く磨いて表面の汚れや酸化膜を落としました。

常温の状態(銅板部品が接している)

高温によりバイメタルが曲がりOFFになった状態
(指で押して再現した状態)
【スイッチ部分の分解調査】
念のため、ハンドル部分にあるスイッチ内部も分解して仕組みを調査しました。
構造: 底面と同じく、精密ドライバーでカバーのツメを外します。
仕組み: スイッチを押すと内部のレバーが動き、接点が繋がって底面のヒーターに電気が流れます。

スイッチOFF時

スイッチON時
内部の黒いレバーを押し込んでいる
スイッチ側にもバイメタル
スイッチの裏側にもバイメタルが設置されており、熱を検知して自動でスイッチがOFFに跳ね上がる仕組みになっていました。

復元と動作確認
全てのパーツを元通りに組み立て、水を入れスイッチを入れてみました。
- 結果: 無事にランプが点灯し、しっかりとお湯が沸いて自動で停止しました!
故障の原因まとめ
今回の故障の原因は、「底面にある銅板部品(接点)がズレて接触しなくなっていたこと」でした。
長年使用する中で、加熱・冷却(バイメタルの曲げ伸ばし)が何回も繰り返された結果、少しずつ位置が歪んでしまったものと考えられます。
まとめ・今回の学び
今回の分解修理を通して、以下の学びが得られました。
- バイメタルの便利な働き: 電子回路を使わずに「熱の膨張差」だけで物理的にスイッチを切り替える安全でシンプルな仕組みを実感できました。
- 可動部の経年劣化: 長年使う電気製品の動くパーツ(可動部)は、熱や物理的負担によって歪みや接触不良を起こしやすいことが分かりました。
身近な家電も仕組みを理解すると、どこに問題があるのか論理的に探っていくことができますね!


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