ある日突然、家で愛用していたミルミキサーが動かなくなってしまいました。
ボタンを押しても「ウーン」という音すらしない、完全な沈黙状態……。
買い替える前に「何が原因なんだろう?」と気になったので、分解して内部の回路や部品をテスターで調べてみることにしました!
今回は、ミルミキサーの分解点検の様子と、カラーコードの読み方、そして動かなくなった本当の原因特定までの流れをご紹介します。
この記事でわかること
- 家電が動かなくなる定番の原因(安全装置の仕組み)
- 分解するときに知っておくと便利な「ネジの向き」の知識
- ミルミキサーを長持ちさせるための使い方
まずは裏側のフタを開けて「電気の通り道」をチェック
まずは本体の底にあるネジを外し、フタを開けて中身(基板)を見てみます。
電気製品には、万が一のときに電気を止める「ヒューズ」というパーツや、電流の流れを調整する「抵抗」というパーツが入っています。


ヒューズのチェック
電気の通り道が切れていないかテスターで確認。
問題なく導通していました。ヒューズ飛びは起きていないようです。

抵抗(電気の流れを調整する部品)のチェック
次に基板上の抵抗をチェックします。
抵抗には「カラーコード」という色の帯がついていて、その色で性能を見分けます。
しかし、この抵抗はどちらが「第1数字」なのか左右が分かりにくいパターンでした。
そこで、実際にテスターで抵抗値を測定し、計算値と比較して判断することに。
- 実測値:1.52 MΩ


- パターン①(茶色を左側とした場合)
- 1.6 MΩ ± 0.5%(許容範囲:1.592 MΩ ~ 1.608 MΩ)
⇒ 実測値(1.52 MΩ)に近く、こちらが正しい読み方と判断!
- 1.6 MΩ ± 0.5%(許容範囲:1.592 MΩ ~ 1.608 MΩ)
- パターン②(緑色を左側とした場合)
- 540 MΩ ± 1%(許容範囲:534.6 MΩ ~ 545.4 MΩ)
⇒ 実測値と大きく離れているため誤りと判断。
- 540 MΩ ± 1%(許容範囲:534.6 MΩ ~ 545.4 MΩ)
この結果から、抵抗自体にも問題はないと判断して次のステップへ進みます。
スイッチ構造の確認とモーターの取り外し
さらに奥のネジを外して、スイッチとモーターのチェックに進みます。
安全装置(インターロック)の仕組み
バラしてみて感心したのが「安全の仕組み」です。
スイッチはバネで押されており、そのままではボタンとスイッチの位置がずれて押せない構造になっていました。
上のカップ(容器)をカチッとセットしないと、ボタンを押してもスイッチに届かない構造になっていました。
安全面がしっかり考慮されていますね!

ボタンを押した状態のスイッチをテスターで測定したところ、しっかりと導通したためスイッチも異常なしでした。

モーター取り外しのコツは「逆ネジ(左ネジ)」!


モーターを取り外す際、上部の回転部分をペンチで固定し、下部の溝をマイナスドライバーで回そうとしましたが、かなり硬くて大苦戦……。
諦めずに探ると、なんと「左ネジ(逆ネジ)」であることが分かりました!
普通のネジ: 時計回りで締まる
左ネジ: 反時計回りで締まる
グルグル回るパーツ(扇風機やミキサーなど)は、回っているうちにネジが勝手に緩まないよう、あえて逆向きのネジが使われていることが多いそうです。
左ネジだと分かればスムーズに取り外し完了です。

モーター周りと部品のチェック
外したモーターの外観を確認しましたが、焦げたような焼き付きの形跡はありません。
手で軸を回してみても滑らかに回転したため、モーター本体の機械的固着はなさそうです。
また、基板・回路についていた2つのコンデンサもテスターで静電容量を点検しましたが、こちらも問題なしでした。

ついに原因を発見!「温度ヒューズ」の断線
「おかしいな、どこも異常がないぞ……」と諦めかけたその時、ペレット型の小さな電子部品を発見!

調べたところ、これは「温度ヒューズ(過熱時に電流を遮断して機器を守る安全部品)」でした。
テスターで測定してみると……導通なし(ヒューズ切れの状態)!
動かなくなった原因は「温度ヒューズの断線」で確定です!
なぜ温度ヒューズが切れてしまったのか?
温度ヒューズは、「本体が熱くなりすぎた時に、火災などを防ぐために自分を犠牲にして電気を遮断する安全部品」です。
思い返してみると、直前に使っていた際に短時間でON・OFFを頻繁に繰り返すような使い方をしていました。
そのせいでモーターに負荷がかかって熱を持ち、安全装置である温度ヒューズが働いてしまったと考えられます。
念のためモーター内部(ローター・ステーター)も分解して確認しましたが、幸いにも焦げや焼き付きの形跡はありませんでした。

動作確認テストとまとめ
原因が特定できたので交換用パーツを手に入れたいところですが、あいにく手元に同じ温度ヒューズがありませんでした。
そこで、「原因が本当にこれだけか」を確認するためのテストとして、一時的に温度ヒューズを切り落とし配線を直接つなぎ直すテストを行いました。
組み立て直してボタンを押してみると……
「ウィーン!」と見事に動きました!
無事に原因が特定できて一安心です!
⚠️【重要】安全上のご注意
温度ヒューズを外したまま使うと、熱くなったときに電気を止めることができず大変危険です。
今回の直結作業はあくまで「動作確認テストおよび構造の学習」を目的としたものであり、この状態での使用は絶対に行いません。
家電製品の修理・分解は自己責任となりますので、無理な分解や安全装置を外したままの使用は避けましょう。
今回の修理調査で学んだこと
- 回転機器のネジは「左ネジ(逆ネジ)」を疑うこと
- 急に動かなくなった時は「温度ヒューズ(安全装置)」が原因のことも
- ミキサーの連続使用や細かいオン・オフは負荷がかかるので注意
家電の仕組みを知る良い経験になりました。
ご家庭のミキサーを使う際も、ぜひ「休ませながら使う」ことを意識してみてくださいね。


コメント